縄文土器と弥生土器の違いは大きく分けて3つです。まずそもそもその見た目が大きく異なります。縄文土器は「深鉢形(ふかばちがた)」と呼ばれる口が広く底が深い形が多い傾向にあります。また、モチーフとしては神様がモデルになっていることが多く、自然に対する恐れや感謝を感じられるデザインが多いのも特徴です。

弥生土器

一方で、弥生土器は坪型と甕型と高坏型の3種類を基本としており、使用用途によってそれぞれの形を使い分けられていました。また、縄文土器の表面にはその名の通り縄を押し当てたような縄目の模様があることが多く彫刻のような削りや粘土の盛りなどにより立体的な造形をしていることが多い一方で、実用重視でシンプルなデザインが多くあったとしても丸や三角、直線や波などの図形的な模様のみが施されているのが弥生土器の特徴です。

焼き方の違い

また、両者の大きな違いとして見た目に加えて作り方、というものがあります。縄文土器は平地に土器を積み上げて草木をくべて焼く「野焼き」で焼き上げます。それゆえに、焼きムラや黒いシミがまだらに残っている本土器の特徴が生み出されました。なお、両土器とも野焼きであるところは共通ですが、そこにさらにドーム状の土をかぶせる「覆い焼き」を弥生土器では採用しています。このドーム状の土は簡易的な窯の役割を果たしており、均一に熱が土器に伝わり色むらや焼きむらが劇的に少なくなっているます。さらに、この焼き方の進化は違いであり進化であったため、土器はより薄く硬い焼き上げることを可能としたため、両土器の見た目の違いはこの作り方に由来している部分も大きいです。 さらに、両土器は使い方、という観点から見ても少しその存在は異なりました。

目的の違い

縄文土器は主に料理と祭祀という2つの目的で使われている存在でした。実際に出土した土器のうち深い鉢状のものには煮沸痕も確認されています。そのため、食べ物の煮炊きや貯蔵に使われていたのはまず間違いがないでしょう。また、表面の飾りなどから豊穣や狩猟の安全への祈り、供養や埋葬などの儀礼にも使用されていたと推定されています。 一方で、弥生土器には前述した通り3つの形があり、用途ごとにその3種を使い分けていた、という点が特徴です。壺の形をしたものは首が細長いことから穀物や液体の保存用として、口が大きく底が深い甕の形をしたものは煮炊き用、高い坏のついたものは食べ物の盛り付け用に使われていたと言われています。

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