越前焼は福井県丹生郡越前町で作られている陶磁器です。一般的には陶磁器の表面に光沢を出す、液体のしみ込むのを防ぐガラス質の粉末である釉薬を使用しますが、越前焼は釉薬を使用せずに焼くのが特徴です。高温で焼かれることで、薪の灰が溶けて器に流れ込み、自然につや、ひかりができていきます。この自然釉は魅力の一つで、陶器と磁器の中間的な存在(炻器)でもあります。焼締めや半磁器とも呼ばれます。絵付けがされないことも多く、あたたかみのある土味、薪の灰でできた自然釉が作品の良い味を引き出しています。日常的に使う茶碗などを中心に、水を通さない丈夫なつくりから壺や貯蔵容器としても使われています。

越前焼の歴史とは

越前焼の歴史は、約850年前の平安時代からはじまりました。水や食物を保存するための甕や壺など、日常雑器を生産し、北陸最大の窯業産地として発展していきました。そして福井県内だけでなく北海道南部から島根県までの日本海沿岸各地へ運ばれました。しかし明治時代に入ると水道の普及や磁器製品が広まり、越前焼の需要は落ち込んでいきます。衰退した時期もありましたが、そこから発掘調査と研究により復興を遂げていきます。1970年に作られた越前陶芸村には観光客が多く訪れるようになり、ここで知名度が上がります。六古窯のひとつとなり、全国でも知られる有名な焼き物へと変化していきました。1986年には国(現在の経済産業省)から伝統工芸品として指定を受けるほどになりました。
現在の越前焼は、古くからある技術を継承とともに、新しい越前焼の創作にも取り組んでいます。越前焼は釉薬を使用せずに焼くスタイルは、どんなに需要が落ち込んでも変えることはありませんでした。一時は廃絶の危機にも追い込まれましたが、地域開発の拠点として振興したことで、産業の発展に繋がりました。越前焼の歴史から伝統を受け継ぎ、新たな陶芸家たちも誕生しています。そしてまた新たな創作活動に励み作品を作り続けています。

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